無(最高の状態)

無(最高の状態)

無(最高の状態)』をKindleで読みました。

本の内容

自身の精神状態を客観的に捉えて俯瞰できるようにし、様々な苦しみを苦とすることがない無我の境地に辿り着くまでの方法が書かれた本です。

要約

原始の世界では“いち早く天敵に気付く”、“いち早く危険な食べ物を察知する”など、ネガティブな情報に敏感な人間が適応して子孫を残すことができました。

そのため天敵がいなくなった現代社会においても人は生まれつき世の中の物事をネガティブに考える傾向にあり、そのままの考えで生活していると常に苦と隣り合わせの生活となってしまいます。

そのような自己の考え方を俯瞰してネガティブに偏らずに捉えることで、必要以上にネガティブに考える思考回路を抑えることができます。

また人間は目の前にある物事に対してそのまま捉えることはせず、ストーリーを作り出して捉える傾向にあります。

例を挙げると目の前にりんごがあるとして、りんごが存在するとだけ捉えることはなく、自身で意図することなく“おいしそうなりんご”が目の前に存在するというように情報を付け足して捉えてしまいます。

人間は物事を単純に捉えることは難しく常に何らかのストーリーを作り出してしまうということを理解し、悪いストーリーを作り出さないようにすることが大切です。

さらにネガティブな思考に囚われたときに役に立つ自らの脳内に“結界”を作るという手法、ネガティブに考えてしまう“悪法”を自身がどう生み出しているのかの把握、それらを含めて自身の思考は完全に制御できるものではないと“降伏”し、自身を客観的に判断することができると最高の精神状態である“無我の境地”に辿り着くことができます。

感想

人間の脳内はこうなっているということがエビデンスに基づき書かれているのは面白かったですし納得できるものでした。

ただ、自身の精神状態という目に見えないものを捉えられるようになる精神修養法が書かれているのですが、実行するにはいささか難易度が高い(そもそも本に書かれている内容が結構難しい)ように感じました。

また、本の通りにやって無我の境地に辿り着いたとして、無我の境地に辿り着くまでの自分と辿り着いた先にある自分は果たして同一人物なのか?というスワンプマンのような疑問も持ちました。

本に書かれている精神修養は自身の考え方すら変えてしまうほどのもので、実行することによって自身が自身ではない何かに変容してしまうのではないかという恐怖すら感じるものです。

本としては読んでいて面白く結界を作る方法などは参考にしたいとも思ったのですが、本に書かれているすべてを実践してみようとまでは思わなかったです。

自己啓発

Posted by books