バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか

バビロンの大富豪

バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか』をKindleで読みました。

本の内容

遥か昔に栄えた“古代都市バビロン”では既に貨幣経済が存在していたが、それに伴って貧富の差も生まれていました。

物語は一生懸命働いていても一向に生活が良くならない街の住民の視点から始まり、お金を貯めるためには何をしたら良いか街一番の大富豪に聞きに行くところから始まります。

さまざまな立場の人間の視点からそれぞれの財産の築き方が描かれていきます。

要約

お金を上手に貯めるには5つの法則があり、それに沿って行動していけば誰でも財産を築けるということが具体例に沿って書かれています。

この本自体が1920年代に出版されたものなので今では通用しにくい法則もありますが、今でも通用して活用できるものとしては以下のものでしょうか。

収入の1/10を自分のものとして取っておく

毎月の給料の1/10を使わず自分のものとして取っておけば、10ヶ月後には1ヶ月まるまる働いた分の給料と同じ額が手元に残ることになります。

1/10を貯金したら毎月の生活も苦しくなるように感じますが、案外生活のレベルを下げることなく貯金するのは何とかなるもので、毎月1/10ほど無駄な出費をしていたことに気づくこともできます。

これで無駄なものを買うことなく、かつ生活のレベルを下げることなく貯金することができるようになります。

貯めたお金を働かせてさらにお金を得る

貯めたお金は眺めているだけでも嬉しいものですが、それを使って資産運用していけばさらにお金を増やすことができます。

本書の中では「金を稼ぐ能力がある人に利子をつけて貸す」と表現されていましたが、現代社会では難しいことなので実際に行うなら投資でしょうか。

他には「チャンスに果敢に挑戦する」、「自己啓発に励む」、「労働の喜びを知る」など書かれていますが、重要なのは前述した2点のように感じました。

実話かどうか

本書は古代バビロニアのことを書いていますが、実際に実話か調べたところ本書自体が1920年代にアメリカの銀行や保険会社が配ったパンフレットに書かれた内容をもとに作られたもので、実話ではなく創作のようです。

とはいえ、古代バビロニアにあたる該当地域は“ハンムラビ法典”で有名な“メソポタミア文明”が栄えたところです。

小学校のときの社会科の授業でも学びましたが、奴隷の目を潰したら銀貨で支払うというような貨幣経済を意味する記述はありましたし、もしかすると本書で書かれたような出来事もあったかもと思わせる内容であるのは面白いポイントでしょうか。

参考文献:The Richest Man in Babylon – Wikipedia

感想

100年に渡って読み継がれているだけあり、内容の読みやすさや納得感は評価できるものでした。

投資のための本なのでしょうが、対象としては投資というよりは「お金を貯めようと日々考えているものの貯金すらなかなかうまく行かない人」くらいを対象にしているように感じました。

投資本としてはかなり初心者向けの本でしょうか。
といっても、投資初心者以外が読んでも面白い内容ですし、おすすめできる一冊です。

投資

Posted by books